2011年05月13日

酒蔵見学 その1 「御湖鶴」

お休み3日目の続きを。

諏訪にある日本酒の酒蔵に見学に伺いました。

まず最初に伺ったのは、
「御湖鶴」を造っている菱友醸造さん。


案内していただいたのは、
まだお若い、30代半ばの近藤社長。
日本酒のこれからを真摯に考える、熱意ある方です。

山田錦を洗米している様子。
若い方が多く、皆さんきびきびと動き、
こちらを見てきちんと挨拶してくださるのが印象的でした。
近藤社長の姿勢が働いている方にも伝わっていることが伺えます。

ここで日本酒の造り方をちょっとおさらい。

お酒は糖分を酵母が食べてアルコールと炭酸ガスに分解。
ワインは原料のブドウに糖分が含まれているため、
酵母を添加してすぐに
醗酵→分解→アルコールと炭酸ガス、となるのですが、
日本酒の原料である米には糖分がないため、
米に含まれているでんぷんを分解してブドウ糖に変化させる
「糖化」という工程が必要になります。

そのために必要なのが「米麹」、
これは精米(米を削る)、洗米(精米した米を洗って水につける)し、
蒸した米に麹菌(黄麹)を振りかけ、
米に菌を植えつけたもののことで、
この米麹に含まれている酵素の働きによって米のでんぷんがブドウ糖に変化し、
その後、酵母がブドウ糖を分解(醗酵)してアルコール(お酒)になります。

日本酒はこの「糖化」と「醗酵」を同時に行う、
「並行複醗酵」という世界中の酒類の中でも類を見ない醗酵の方法をとります。

さて、
先ほどの米麹に蒸米と水、酵母を足したものを「酒母」と呼びますが、
出来上がった酒母を味見させていただきました。


雑菌の繁殖を抑えるためには乳酸が必要なのですが、
この乳酸により、かなり強い酸味です。

この酒母に蒸米と水を三段階に分けて仕込み、
「もろみ」が出来ます。
ここで「糖化」と「醗酵」が同時に行われ、
これを搾って原酒となります。


最後に、出来上がったお酒を試飲させていただきました。


金紋錦純米吟醸、
山田錦純米吟醸、
そして、それを甲州(ブドウの種類)のワイン樽にて半年ほど熟成させたものの3種類です。

金紋錦は木島平で造っているお米。
山田錦とたかね錦を親に持つ酒米だそうです。

山田錦はよりふっくらとした、丸みのある味わい。

ワイン樽で熟成させたものは、
飲み干したあとに樽の香りが広がる感じ。
日本酒の香りを残しつつ、優しく香るのが印象的です。

どれも辛口で酸味がしっかりのっていますので、
吟醸とはいえ食事に合わせて、また時間をかけて飲んで、
温度の変化による味わいの違いを楽しみたいお酒でした。
お料理も、積極的に洋食にも合わせてみたい、と思いました。


日本酒の造りというと、手触りとか温度とか、
杜氏さんの「勘」によるところが大きいのかなと思っていましたが、
ここ菱友さんは温度管理など全てデータを取って、非常に緻密に造られており、
かといって機械化されているのではなく、
やはり「人」(杜氏)の手で大事に造られている、
日本酒を「育てている」、そんな印象を受けました。


今回、日本酒の酒蔵を見学したのは実は初めて。
かつて日本酒も多少学んだこともあったのですが、
これまでの知識だけの情報が映像として繋がり、
それが楽しく、また新たな興味もわいて、とても内容の濃い時間となりました。

近藤社長、お忙しい中ありがとうございました。


さて、このあともう一軒、伺ったのですが、
それは次回!



菱友醸造株式会社
長野県諏訪郡下諏訪町3205-17
TEL 0266-27-8109






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Posted by バンビィ at 11:44│Comments(0)今日の出来事
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